きたがわ翔先生の原画展に行った


本日、きたがわ翔先生の原画展に行きました。

リベストギャラリー 創

20年前・中学生の時に「好き」になった物を、今日も「好きだった」ではなくて現役の「好き」でいさせて貰えるってのは凄いことで、ありがたいことだなーと思い、稚拙ですが感想文をば。

「アナログ」でした

analogue (analogとも)

  • 「〜と対比して」を意味する「ἀνάλογος(analogos)」として成り立った語。
  • 「digital」の対となる概念として使われるようになったのが1940年代。
  • 今日では、人工肉ではない「本物の肉」を意味する「Meat analogue」を例に、イミテーションやコピー品ではない「オリジナル」を示してもいる。
  • 文学研究においては「〜の類似作品」という意味もある。

原画展に飾られていた作品はまさに「アナログ」そのものでした。

単に「デジタルではない」点、出版された紙面と比較した「オリジナルである」点、過去の作品をベースに制作し直した「類似作品」もある点。

何より、ファンにとっては自分の心に刻まれた「作品像・作品の記憶との対比」としての analogue が何よりも楽しめます。

「カケアミ」凄い

今回の展示で特にフィーチャーされていたのは「カケアミ」技法。物販のTシャツもカケアミが描かれています。

カケアミというのは、細かな連続する線で陰影を表現するマンガの技法です。

テンペラ画や銅版画で用いられていた Hatching, Cross Hatchingとの共通点も多いですが、カケアミは日本のマンガ制作事情に最適化された独自の様式を持っています。

カケアミは元々墨一版しかない雑誌・コミックにおいて、トーンでは表現できない微妙な塗りを表現するために使われていた技法ですが、カラー作品でも用いられています。

カケアミでの塗りには膨大な手間がかかりますが、それは「塗りを膨大なプロセスに分割できる」ということでもあります。膨大なプロセスであるがゆえに徐々に理想に近付けることが可能で、結果として繊細にコントロールされた塗りを実現できているように見えます。

印象派が同様の理由で「移ろいゆく微妙な光の表現」を得意としていたのにも似ています。

特に本展示の為に制作された↓は背景に至るまでとても丁寧に描かれていて綺麗でした。アナログ(生)鑑賞推奨です。

「筋肉」凄い

カケアミはその膨大な手間によって実現されているのですが、その膨大な手間を支えているのが先生の「筋肉」とのことでした。

先生がお話されているのを盗み聞いた所、『この絵を作る上では筋肉が必要で、筋肉なしには作り上げることは出来ない。筋肉を付けることで初めて実現可能な作風』というようなことを、大変真面目に語られていました。

確かに膨大な作業を支えるのにはフィジカルの強さが必要です。とはいえ、あの繊細な絵を生み出す秘密が筋肉だとは誰が思うでしょうか。

先生は期間中ずっといらっしゃるとのことですので、筋肉を鑑賞したい方も楽しめると思います!

本当はマンガ作品と今回の展示の対比についても感動ポイントが色々あるのですが、個人的な想いと体験をベースにした赤面文書になりそうなので、それは一人で反芻します。

ミーハーにも記念写真を撮ってもらってしまいました。

きたがわ翔先生のマンガを読んだことのないあなたに送るリンク

「C 1巻」 https://bit.ly/2ItLe3i 試し読み

解説:チンコが勃たない主人公の恋愛 + ヒューマンストーリー。
3巻でキレイに完結、今流行りが来てる90’sファッションも熱い!入門には最適かも!

ちなみに「C 10巻」は1冊で完結。これから読んでも面白い! https://bit.ly/2v9bvLE 試し読み

見逃したあなたに送る言葉

今回の原画展はプロモーションが殆どされていないようでしたので、見逃して後から検索でこのページにたどり着く方もいるかなと思います。

もし自分が見逃したらどう言ってもらいたいかを考えた結果、この言葉を送ります。

チョーすげー良かったですよ!
きたがわセンセのTwitterフォローして、次は見逃さないことですね!!

https://twitter.com/kitagawa_sho

会場情報

きたがわ翔 初原画展 アナログ
日時: 4/18(木) ~ 4/24(水) 12:00 ~ 18:00 (最終日は17:00まで)
場所: リベストギャラリー 創 http://www.libestgallery.jp/
アクセス: 吉祥寺駅 北口 徒歩5分


投稿者:

tojikomorin

仕事が固いマジメなシステムのお仕事ばかりなので、趣味でアホなプログラムを書いています。 固いのもアホなのも両方好きです。

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